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- 制度/SLE患者さんの医療費助成制度
医療費助成制度とは、患者さんの医療費の負担を軽減する仕組みです。SLE(全身性エリテマトーデス)などの指定難病患者さんは、一定の認定基準を満たした場合に対象となります。認定された患者さんは、医療費などの自己負担が上限額を超えた場合に、その超えた金額分が国・都道府県から「特定医療費」として支給されます。
SLEにおける、指定難病の医療費助成の認定基準は、以下の通りです。
軽症高額
認定基準を満たさない方でも、高額な医療を継続して受けることが必要な人は、医療費助成の対象となります。
- 「高額な医療を継続して受けることが必要」とは、医療費総額が33,330円を超える月が、支給認定申請月以前の12月以内(※)に3回以上ある場合です。
例えば、「医療保険3割負担」の患者さんの場合、医療費の自己負担がおよそ1万円となる月が年3回以上ある場合が該当します。
申請から医療受給者証交付の流れ
準備
お住まいの都道府県・指定都市の窓口やインターネットから、申請書類を入手します。そして、難病指定医に診断書の記入を依頼します。
窓口に申請
必要な書類をそろえ、都道府県・指定都市の窓口に申請します。
都道府県・指定都市による審査
都道府県・指定都市は、申請された書類をもとに審査を行います。
(1)病気の症状の程度が認定基準に当てはまるとき、または、
(2)認定基準に当てはまらないが、高額な医療を継続して受ける必要があると認める場合(軽症高額該当)に支給の認定を行います。
医療受給者証の交付
審査の上、承認されると「医療受給者証」と「自己負担上限額管理表」が交付されます。
なお、これらが交付されるまでは、申請から約3ヵ月程度かかります。その間に指定医療機関においてかかった医療費は、払い戻しを請求することができます。また、審査の結果、不認定となることがあります。その場合は、都道府県・指定都市から不認定通知が送付されます。
申請に必要な書類
認定の有効期間と期間内の変更申請
医療費助成制度における支給認定の有効期間は、原則として1年以内です。これは、病気の症状の程度・治療の状況から、医療を受ける必要があると考えられる期間です。ただし、特別な事情があるときは、1年3ヵ月を超えない範囲で定めることができます。有効期間を過ぎて治療を続ける必要がある場合は、更新の申請を行います。
有効期間内に、一定の申請内容や負担上限月額の算定のために必要な事項の変更があった場合は、届出が必要です。また、支給認定された(1)指定医療機関、(2)負担上限月額、(3)指定難病の名称を変更する必要がある場合には、変更の申請をすることができます。
医療費助成における自己負担上限額
1ヵ月(月の始めから月末まで)に支払う自己負担の額は、世帯の所得によって決まります。患者さんはご自身の「階層区分」に応じた自己負担の上限額までを支払います。もし1ヵ月の支払い額が上限額に達しない時は、医療費の総額の2割を支払います。
自己負担上限額管理票による自己負担額の管理
自己負担の上限月額は、受診した複数の指定医療機関の「自己負担額の合計」に対して適用されます。このため、医療受給者証とともに交付される「自己負担上限額管理票」で管理しておくことが必要です。
- (1)それぞれの指定医療機関では、受診のつど、自己負担上限月額の範囲の中で医療費の2割(または1割)を支払います。
- (2)患者さんは、指定医療機関を受診するつど、支払い額を管理票に記入してもらいます。
- (3)自己負担の合計額が自己負担の上限月額に達した場合は、その時の指定医療機関が確認し、その月に負担上限月額を超える費用の支払いは必要ありません。
難病指定医
特定医療費支給認定の申請に必要な診断書は、都道府県・指定都市から指定を受けた「指定医」に限って作成することができます。指定医には、新規申請や更新申請に必要な診断書を作成できる「難病指定医」と、更新申請に必要な書類のみ作成できる「協力難病指定医」の2種類があります。
指定医療機関
指定医療機関とは、都道府県・指定都市から指定を受けた病院・診療所、薬局、訪問看護ステーションです。指定難病の医療費の給付を受けることができるのは、原則として指定医療機関で行われた医療に限られます。
【参考文献】
難病情報センター. 「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460(参照:2021年6月30日)
【監修】
北海道大学大学院医学院・医学研究院 免疫・代謝内科学教室 教授 渥美 達也先生